幸せを受け止めて~騎士団長は月夜に淑女をさらう~
入隊試験は拍子抜けするほどあっさりと進み、
ギュンターは入隊を許可された。
(思ってたより、全然楽勝だったな。)

進路が決まったからには両親にも報告しなければならない。
タイミングを見計らって両親に報告すると、
予想通り猛反対された。
「何のためにお前を養子にしたと思っているんだ!この恩知らずが。」
「一体今までにいくらあなたにお金をかけたと思っているの。」

予想通りの罵詈雑言だったが、
両親からなんと言われようと、ギュンターの決意は固かった。
「もちろんここまで育てていただいたご恩に感謝しています。いずれ家業を継ぐつもりでおりますので、今は私のわがままを許してください。」
ギュンターはそう言い捨てると、わずかな身の回りのものを整理して家を飛び出した。
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