幸せを受け止めて~騎士団長は月夜に淑女をさらう~
それはギュンターが初めて耳にするカロリーネの本音だった。
カロリーネはギュンター本人ではなく、ギュンターの持つステイタスを愛していたのだ。
「君は・・・俺のことは愛してくれてなかったのか?」
「軍人になるなんてバカみたいなこと聞かされるまでは愛していたわ。あの後、父経由であなたのお父様に確認したの。相当怒っていらしたわ。あなたのこともう息子じゃないし、譲るものは何もないですって。」
そうやって吐き捨てたカロリーネの目には怒りの感情が見て取れた。
「あなたが跡取りから外されたんじゃ、あなたと結婚する意味がないわ。」
「それで・・・今は念願の貴族夫人になれて幸せってわけか?」
「えぇ。お茶会に出席したり、こうして舞踏会に出たり。私が夢見ていた世界だわ!」
「そうか。」
カロリーネが笑顔の裏にひた隠しにしていた本音を目の当たりにして、
あれだけ愛していた相手なのにその思いが急速に冷めていくのを感じた。
「それでは騎士様、私は社交で忙しいのでこれで失礼しますわ。」
そんな捨て台詞を残して、カロリーネは舞踏会の人ごみの中へと戻っていった。
カロリーネに自身の純愛を踏みにじられて以来、
女性はみんな裏があるのではないかと疑ってしまい、
ギュンターはすっかり女性不振になってしまった。
カロリーネはギュンター本人ではなく、ギュンターの持つステイタスを愛していたのだ。
「君は・・・俺のことは愛してくれてなかったのか?」
「軍人になるなんてバカみたいなこと聞かされるまでは愛していたわ。あの後、父経由であなたのお父様に確認したの。相当怒っていらしたわ。あなたのこともう息子じゃないし、譲るものは何もないですって。」
そうやって吐き捨てたカロリーネの目には怒りの感情が見て取れた。
「あなたが跡取りから外されたんじゃ、あなたと結婚する意味がないわ。」
「それで・・・今は念願の貴族夫人になれて幸せってわけか?」
「えぇ。お茶会に出席したり、こうして舞踏会に出たり。私が夢見ていた世界だわ!」
「そうか。」
カロリーネが笑顔の裏にひた隠しにしていた本音を目の当たりにして、
あれだけ愛していた相手なのにその思いが急速に冷めていくのを感じた。
「それでは騎士様、私は社交で忙しいのでこれで失礼しますわ。」
そんな捨て台詞を残して、カロリーネは舞踏会の人ごみの中へと戻っていった。
カロリーネに自身の純愛を踏みにじられて以来、
女性はみんな裏があるのではないかと疑ってしまい、
ギュンターはすっかり女性不振になってしまった。