幸せを受け止めて~騎士団長は月夜に淑女をさらう~
クララは父に言われるままに軍を除隊することにした。
自分なりに誇りを持って仕事をしてきたので、
そのキャリアを途中で投げ出すのは辛かったが仕方ない。

本来であれば、
まずはギュンターに除隊願いを提出するところだが
ギュンターには知られたくなかった。
結婚のために除隊するなどギュンターには絶対に言いたくない。
そこでクララは父に頼み込んで、
ギュンターを通すことなく父の手で除隊手続きを進めてもらった。
ギュンターには自分から説明するから黙っててと言うと、
なんでそんなめんどくさいことをするんだと訝しがられたが、
クララはスルーした。
(お父様が私の気持ちを無視して、強引に進めるからでしょ!)

除隊する日はギュンターが騎士団を離れる日に決めた。
その日は騎士団内で送別会が開かれることになっている。
最後だから出席しようかと思ったが、
ギュンターの顔を見ると泣いてしまいそうだったので
送別会には参加することなく騎士団を去ることにした。
(でも、やっぱり誰かには話しておきたい。)
そう思ったクララは同期として頑張ってきたルーカスとレオンに声をかける。
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