幸せを受け止めて~騎士団長は月夜に淑女をさらう~
医者の話を聞くことが出来て、少しだけ気分が晴れた。
女友達と話していたらこうはいかなかっただろう。

出張から帰ってきたギュンターと夕食を囲みながら、
クララはアランとの会話を伝えた。
「そうか。医者の意見なら信頼できるね。これからはあまり焦らずにゆったりした気持ちで赤ちゃんを待つことにしよう。急ぐ必要はないんだからね。」
「うん。」
「いい機会だし、病院行ってみる?ついでだから他にも病気がないかチェックしてもらおう。」

ギュンターの一言で、
次のお休みの日にグラディオーレンで最も大きい病院で健康診断を受けることになった。
結果は2人とも全くの異常なし。
不妊に繋がるような疾患は全くなかった。
妊娠できないことに1人で追い詰められていたクララは、
身体的な原因があるわけではないことが分かって気分が軽くなった。
アランの言う通り、精神的な部分が問題なのかもしれない。
これからはもっと穏やかな気持ちで赤ちゃんを待つことにしよう。
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