月夜の下で

冬空

「あんな奴の事なんか忘れて、俺の女になれよ」



優しいけど強くて頼もしいあなたの言葉は


私の心の穴を一気に塞いで


一瞬にして溢れさせてしまう



私でいいの?


彼女とは違って私は髪も短いし


色白で清楚なお嬢様じゃないよ?



気が強いのに泣き虫で、ヤキモチ妬きだし…



それに私の彼だった人はあなたの友達で



あなたの彼女だった人は私の友達



私は何を言われても構わないけど、


あなたが周りから色々言われるのは耐えられないよ…


私はいっぱいいっぱい考えて返事に悩んだのに



それなのに


あなたは、そんな私の気持ちも知らないで



強く強く私を抱き締めて、何も言えなくさせちゃうんだ



ずるいよね



でも、おあいこかな…



「…これからも、よろしくね。」



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