捨てられた妃 めでたく離縁が成立したので出ていったら、竜国の王太子からの溺愛が待っていました2
吊り橋を何個も渡り、木々の間を通り抜け目的の建物にやってきた。シルバーの看板には【シトリン商会】と書かれている。
店の中には様々な商品が並び、三階建の建物はフロアごとに種類分けされていた。私は魔道具コーナーがある三階へ上った。
魔道具コーナーはフロアの奥にあり、剣や鎧の間をすり抜けて素材が並ぶ棚までやってきた。ひと通り見たものの、目的の素材は見当たらない。
そこへタイミングよく店員がやってきたので声をかけた。
「すみません、素材のレッドベリルを探しているのですが、こちらで取り扱いはありますか?」
「レッドベリル? お客さん、ずいぶんレアな素材を探して——」
声をかけた獣人はマットブラウンの髪にグレーの瞳で、獣の耳はピンと尖っていた。ふさふさの尻尾も背中につきそうなくらい立っていて、なんとなく狼族のようだと感じた。
顔立ちも整っているし、大きな体格で強そうだから獣人の間では大人気だろうなと思った。
だけど、それならなぜここにいるのかと疑問がよぎる。
疑問に気を取られていたら、店員にいきなり両肩を掴まれた。驚いて店員を見上げると神秘的なグレーの瞳が真っ直ぐに私を射貫く。
店の中には様々な商品が並び、三階建の建物はフロアごとに種類分けされていた。私は魔道具コーナーがある三階へ上った。
魔道具コーナーはフロアの奥にあり、剣や鎧の間をすり抜けて素材が並ぶ棚までやってきた。ひと通り見たものの、目的の素材は見当たらない。
そこへタイミングよく店員がやってきたので声をかけた。
「すみません、素材のレッドベリルを探しているのですが、こちらで取り扱いはありますか?」
「レッドベリル? お客さん、ずいぶんレアな素材を探して——」
声をかけた獣人はマットブラウンの髪にグレーの瞳で、獣の耳はピンと尖っていた。ふさふさの尻尾も背中につきそうなくらい立っていて、なんとなく狼族のようだと感じた。
顔立ちも整っているし、大きな体格で強そうだから獣人の間では大人気だろうなと思った。
だけど、それならなぜここにいるのかと疑問がよぎる。
疑問に気を取られていたら、店員にいきなり両肩を掴まれた。驚いて店員を見上げると神秘的なグレーの瞳が真っ直ぐに私を射貫く。