捨てられた妃 めでたく離縁が成立したので出ていったら、竜国の王太子からの溺愛が待っていました2
そんなことを考えていたら、噴水が視界に入ってきた。月の光を受けてキラキラと反射する噴水が、さらさらと音を立てている。水のカーテンから噴水の向こう側が透けて見えるが、そこに誰かいるようだ。
話し声が聞こえたけれど、私の存在に気が付いたのか会話は止まってしまった。
宿泊客の逢瀬の邪魔をしてしまったのかと、気まずい思いをしていると予想外の人物が姿を見せた。
「……ハイレット様?」
「ああ、ロザリア様でしたか」
もうひとりいたと思ったけれど、もう人影はないようだ。
誰かと会っていたのは勘違いだったのだろうか?
「こんな時間にどうされましたか?」
「明日が楽しみで眠れなかったので、散歩していたのです。ですが、もう戻るところです」
至極当然な質問をされて、私も素直に答える。ハイレット様はいつもより上機嫌な様子で、鼻歌でも歌い出しそうな雰囲気だ。
こんな時間に、こんなところでハイレット様とふたりになるのは危険だ。偶然とはいえ、もしアレスが見たら気分を悪くするだろう。
私は踵を返して部屋に戻ろうとした。
「ロザリア様、お待ちください。せっかくですから少しお話をしませんか」
話し声が聞こえたけれど、私の存在に気が付いたのか会話は止まってしまった。
宿泊客の逢瀬の邪魔をしてしまったのかと、気まずい思いをしていると予想外の人物が姿を見せた。
「……ハイレット様?」
「ああ、ロザリア様でしたか」
もうひとりいたと思ったけれど、もう人影はないようだ。
誰かと会っていたのは勘違いだったのだろうか?
「こんな時間にどうされましたか?」
「明日が楽しみで眠れなかったので、散歩していたのです。ですが、もう戻るところです」
至極当然な質問をされて、私も素直に答える。ハイレット様はいつもより上機嫌な様子で、鼻歌でも歌い出しそうな雰囲気だ。
こんな時間に、こんなところでハイレット様とふたりになるのは危険だ。偶然とはいえ、もしアレスが見たら気分を悪くするだろう。
私は踵を返して部屋に戻ろうとした。
「ロザリア様、お待ちください。せっかくですから少しお話をしませんか」