捨てられた妃 めでたく離縁が成立したので出ていったら、竜国の王太子からの溺愛が待っていました2
「申し訳ありませんが、そんなことが実現することはありません。下手をするとブルリア帝国が終焉を迎えるだけです」
「はははっ! ブルリア帝国の終焉か、面白いことを言いますね。先の提案が実現するかどうかは、貴女が決めることではない。私たちがそうしたいかどうかだ」
本当に何度言ってもわかってもらえない。
竜人が番以外を伴侶にするなんてありえないのに。私はハイレット様とこれ以上話すのに嫌気がさした。
「もう部屋に戻ります。では」
そう言って立ちあがろうとしたら、ハイレット様が目の前に立ち、両手をベンチの背に乗せて私を閉じ込めた。端正な顔立ちは醜く歪み、私を見下ろす瞳には征服者の一方的な欲が浮かんでいる。
「帝国は偉大であり、世界の覇者となるのは私たちなのだ。いくらアレスが竜人といえども、本気になった帝国に抗えると思っているのか? ましてや妻の執事だといって世話を焼いて情けない男だと思わないか?」
「退きなさい。これ以上アレスを侮辱するなら、全力で魔法を放ちます」
もう我慢の限界だ。これでもかと両手に魔力を集めていく。込み上げる怒りに身を預けたら、大変なことになるとわかっていてもとめられない。
「ふん、そんな悪あがきをしてもむ……ぐわあああああっ!!」
「はははっ! ブルリア帝国の終焉か、面白いことを言いますね。先の提案が実現するかどうかは、貴女が決めることではない。私たちがそうしたいかどうかだ」
本当に何度言ってもわかってもらえない。
竜人が番以外を伴侶にするなんてありえないのに。私はハイレット様とこれ以上話すのに嫌気がさした。
「もう部屋に戻ります。では」
そう言って立ちあがろうとしたら、ハイレット様が目の前に立ち、両手をベンチの背に乗せて私を閉じ込めた。端正な顔立ちは醜く歪み、私を見下ろす瞳には征服者の一方的な欲が浮かんでいる。
「帝国は偉大であり、世界の覇者となるのは私たちなのだ。いくらアレスが竜人といえども、本気になった帝国に抗えると思っているのか? ましてや妻の執事だといって世話を焼いて情けない男だと思わないか?」
「退きなさい。これ以上アレスを侮辱するなら、全力で魔法を放ちます」
もう我慢の限界だ。これでもかと両手に魔力を集めていく。込み上げる怒りに身を預けたら、大変なことになるとわかっていてもとめられない。
「ふん、そんな悪あがきをしてもむ……ぐわあああああっ!!」