捨てられた妃 めでたく離縁が成立したので出ていったら、竜国の王太子からの溺愛が待っていました2
「俺の妻になにをしている」
次の瞬間、転移魔法で現れたアレスが、アイアンクローでハイレット様の頭部を締め上げていた。
シャツを羽織っただけでボタンすらとまっていない、急いで来てくれたのだとわかった。そんなアレスの夜空の瞳は仄暗い光を孕んでいる。
「ああああっ! 放せっ! ぐああっ!!」
「質問に答えろ。俺の唯一になにをしようとした?」
「ヒギィィッ!! わ、悪かった! ぐぐっ、は、話をしていただけだ!!」
そこでやっとハイレット様は、アレスの手から解放されて地面にベシャリと崩れ落ちた。そのまま痛みに耐えかねてゴロゴロと転がっている。
私はベンチから立ち上がり、アレスに寄り添った。
「ハイレット様、私のことはお好きにおっしゃってかまいません。ですが——私の愛するアレスを侮辱するなら黙っているつもりはありません」
「ぐっ……!」
「では失礼します。アレス、戻りましょう」
地面に転がるハイレット様をそのまま捨て置いて、私はアレスと部屋に戻ってきた。
「本当に許せないわ……! アレスのことをなにも知らないのに、好き放題言って……!」
「ロザリア」
最愛を侮辱されて怒り心頭だったが、アレスに名前を呼ばれて一瞬で頭が冷える。
振り返ったアレスが、それはそれは惚れ惚れするような笑顔を浮かべていた。
次の瞬間、転移魔法で現れたアレスが、アイアンクローでハイレット様の頭部を締め上げていた。
シャツを羽織っただけでボタンすらとまっていない、急いで来てくれたのだとわかった。そんなアレスの夜空の瞳は仄暗い光を孕んでいる。
「ああああっ! 放せっ! ぐああっ!!」
「質問に答えろ。俺の唯一になにをしようとした?」
「ヒギィィッ!! わ、悪かった! ぐぐっ、は、話をしていただけだ!!」
そこでやっとハイレット様は、アレスの手から解放されて地面にベシャリと崩れ落ちた。そのまま痛みに耐えかねてゴロゴロと転がっている。
私はベンチから立ち上がり、アレスに寄り添った。
「ハイレット様、私のことはお好きにおっしゃってかまいません。ですが——私の愛するアレスを侮辱するなら黙っているつもりはありません」
「ぐっ……!」
「では失礼します。アレス、戻りましょう」
地面に転がるハイレット様をそのまま捨て置いて、私はアレスと部屋に戻ってきた。
「本当に許せないわ……! アレスのことをなにも知らないのに、好き放題言って……!」
「ロザリア」
最愛を侮辱されて怒り心頭だったが、アレスに名前を呼ばれて一瞬で頭が冷える。
振り返ったアレスが、それはそれは惚れ惚れするような笑顔を浮かべていた。