捨てられた妃 めでたく離縁が成立したので出ていったら、竜国の王太子からの溺愛が待っていました2
 クリフの言葉に反論できなかった。
 確かに竜人の人智を超えた力に及ぶとは、到底思えない。しかもロザリアも変わった武器を持ち、アレスとともにバハムートに立ち向かっている。

 こんな化け物みたいな相手を、どうやって始末するというのか。
 父上の計画だけではダメだ。父上は竜人を知らないのだ。

 あの強大な魔力をなんとかしなければ、私たちに勝ち目はない。

「おい、クリフ。お前に頼みたい物がある」
「はあ? お前の頼みなんて聞きたくねえな」
「父上の計画ではアレスを始末するのは無理だ。私の計画に乗るというなら、これからいう物を用意しろ。まだチャンスはある」
「ふん、なるほどな……言えよ、オレに用意できない物はねえ」

 私はロザリアを妻にするため、大帝国を築くため、最後の賭けに出た。


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