捨てられた妃 めでたく離縁が成立したので出ていったら、竜国の王太子からの溺愛が待っていました2
「待て! ロザリアには危険すぎるだろう! 私たちと一緒に避難するのだ!!」
「避難するならおふたりでどうぞ。ここでアレスとともに死ぬのなら、それも本望です」
それだけ言って、私はアレスとバハムートの群れに向かって駆け出した。
「お嬢様、相手が相手ですので覚醒した竜人の力を解放します。どうか驚かないでください」
「大丈夫よ。もう二度と、この手を離さないと誓ったの」
アレスは泣きそうな嬉しそうな顔で微笑み、竜人の秘めたる力を解放していく。
夜空の瞳から金色の太陽の瞳へ変わり、縦に長い瞳孔はまさしくドラゴンの特徴だ。頭部には捻れた角が二本生え、背中には漆黒の翼がはためく。指先の爪も黒く鋭いものになっていて、アレスの力を考えたらこれだけでも戦えそうだ。
「すごいわ……これが覚醒した竜人の力なのね」
確かに姿は少し変わって驚いたけれど、その内面は今までとなにひとつ変わっていない。私の愛しい夫のままだ。
「……恐ろしくはないですか?」
アレスの声が震えている。太陽みたいにキラキラと瞳は輝いているのに、その奥には不安が色濃く浮かんでいた。
「避難するならおふたりでどうぞ。ここでアレスとともに死ぬのなら、それも本望です」
それだけ言って、私はアレスとバハムートの群れに向かって駆け出した。
「お嬢様、相手が相手ですので覚醒した竜人の力を解放します。どうか驚かないでください」
「大丈夫よ。もう二度と、この手を離さないと誓ったの」
アレスは泣きそうな嬉しそうな顔で微笑み、竜人の秘めたる力を解放していく。
夜空の瞳から金色の太陽の瞳へ変わり、縦に長い瞳孔はまさしくドラゴンの特徴だ。頭部には捻れた角が二本生え、背中には漆黒の翼がはためく。指先の爪も黒く鋭いものになっていて、アレスの力を考えたらこれだけでも戦えそうだ。
「すごいわ……これが覚醒した竜人の力なのね」
確かに姿は少し変わって驚いたけれど、その内面は今までとなにひとつ変わっていない。私の愛しい夫のままだ。
「……恐ろしくはないですか?」
アレスの声が震えている。太陽みたいにキラキラと瞳は輝いているのに、その奥には不安が色濃く浮かんでいた。