捨てられた妃 めでたく離縁が成立したので出ていったら、竜国の王太子からの溺愛が待っていました2
「お嬢様、私の攻撃をすり抜け後ろから襲ってくる魔物をお願いします」
「わかったわ」

 そうして私たちは次々とバハムートを討伐し、二十分たらずで殲滅を果たした。

 アレスはバハムートを殲滅しても、冷ややかな表情である一点をジッと見つめていた。でもそれはほんの何十秒で、すぐにいつもの穏やかな笑みを浮かべる。

「では、レッドベリル探しを再開しましょう」
「ええ、そうね。そろそろ見つかるといいのだけれど」
「きっと、もうすぐ見つかりますよ」

 アレスの自信に満ちた返答を聞いて、私もそんな気がしてきた。
 もとの場所に降り立ちハイレット様とクリフ様に合流すると、ふたりは満面の笑顔で迎えてくれた。

「ロザリア様もアレス様も、まるで鬼神のようでしたね。さすがです」
「さすがロザリアさんだ! 獣人は強い女が最高の女なんだ、やっぱりオレの目に狂いはなかったな!」
「お褒めいただきありがとうございます。もう危険はないと思いますから、レッドベリルを探しましょう」
「そうだな! オレに任せておけ!」

 こうして、またレッドベリルを探しはじめた。

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