捨てられた妃 めでたく離縁が成立したので出ていったら、竜国の王太子からの溺愛が待っていました2
「ああ!? ふざけんな、こっちだって譲れねえんだよっ!!」
「黙れ! ロザリアは私の妻にするのだ!!」
シックで上品な部屋の雰囲気にそぐわない罵り合いが続いている。
「お黙りなさい!!」
私の怒声で、やっと男たちが口を閉ざした。抑えに抑えてきた感情は激流のように私の内側で暴れ回る。
私の細胞のひとつひとつが足りないものを求めて、暴発しそうになっていた。
「私のアレスはどこ?」
私はゆっくりとソファーから立ち上がる。
ふたりの男たちは、息を呑んで動かない。私の問いかけになにも反応がなくて苛立った。
「聞こえないのかしら? 私の夫、アレスはどこにいるの?」
両手首には、鎖で繋がった魔封じの手枷がつけられて魔法は使えない。ならば、こんなゴミのような魔道具は壊してしまえばいい。
これでも魔道具の開発担当者なのだ。王家の秘宝でもない限り、この手の道具は簡単に壊せる。いつも持ち歩いている工具を取り出し、左の手首についている手枷を分解していく。
バラバラと落ちていく部品は、毛足の長いカーペットに微かな音を立てて埋もれていった。
すぐにアレスの魔力を追ってみるけれど、やはりどこにも感じない。
すっかり軽くなった両腕から、あふれる激情とともに思いっ切り魔力を解放する。右手には炎魔法を、左手には水魔法を練り上げた。
「黙れ! ロザリアは私の妻にするのだ!!」
シックで上品な部屋の雰囲気にそぐわない罵り合いが続いている。
「お黙りなさい!!」
私の怒声で、やっと男たちが口を閉ざした。抑えに抑えてきた感情は激流のように私の内側で暴れ回る。
私の細胞のひとつひとつが足りないものを求めて、暴発しそうになっていた。
「私のアレスはどこ?」
私はゆっくりとソファーから立ち上がる。
ふたりの男たちは、息を呑んで動かない。私の問いかけになにも反応がなくて苛立った。
「聞こえないのかしら? 私の夫、アレスはどこにいるの?」
両手首には、鎖で繋がった魔封じの手枷がつけられて魔法は使えない。ならば、こんなゴミのような魔道具は壊してしまえばいい。
これでも魔道具の開発担当者なのだ。王家の秘宝でもない限り、この手の道具は簡単に壊せる。いつも持ち歩いている工具を取り出し、左の手首についている手枷を分解していく。
バラバラと落ちていく部品は、毛足の長いカーペットに微かな音を立てて埋もれていった。
すぐにアレスの魔力を追ってみるけれど、やはりどこにも感じない。
すっかり軽くなった両腕から、あふれる激情とともに思いっ切り魔力を解放する。右手には炎魔法を、左手には水魔法を練り上げた。