捨てられた妃 めでたく離縁が成立したので出ていったら、竜国の王太子からの溺愛が待っていました2
「なんとラクテウスの……! ああ、其方はロザリアか! 久しいのう……見違えるように生き生きとしておったので気が付かんかった」
「いえ、こちらが非礼なのは承知の上です」
「そこまでして来られるとは、いったいなにがありましたかな?」
ファステリアの国王は鋭い眼光を私に向けた。内容によっては抗議もやむをえないと言いたいようだ。
「率直に申し上げます。こちらのクリフ・シトリンが帝国の皇太子ハイレットと共謀し、私の夫アレスを殺害せんとしました」
「は……!? それは事実か!?」
「後ろにある氷漬けの騎士たちが実行犯です。これはラクテウス王国の国王である竜王様より受け取った委任状です」
私は竜王様にお願いした書類をファステリア国王に見せる。
そこには私にアレス暗殺未遂に関する断罪の権限をすべて委任すること、私の言葉が竜王様の言葉となると書かれていた。この世にひとつの竜王様の落款と国璽が押された正式な文書になる。
「私はファステリア国王に問います」
国王はごくりと喉を鳴らす。この後の返答次第でファステリアの未来が変わると理解しているようだ。
「いえ、こちらが非礼なのは承知の上です」
「そこまでして来られるとは、いったいなにがありましたかな?」
ファステリアの国王は鋭い眼光を私に向けた。内容によっては抗議もやむをえないと言いたいようだ。
「率直に申し上げます。こちらのクリフ・シトリンが帝国の皇太子ハイレットと共謀し、私の夫アレスを殺害せんとしました」
「は……!? それは事実か!?」
「後ろにある氷漬けの騎士たちが実行犯です。これはラクテウス王国の国王である竜王様より受け取った委任状です」
私は竜王様にお願いした書類をファステリア国王に見せる。
そこには私にアレス暗殺未遂に関する断罪の権限をすべて委任すること、私の言葉が竜王様の言葉となると書かれていた。この世にひとつの竜王様の落款と国璽が押された正式な文書になる。
「私はファステリア国王に問います」
国王はごくりと喉を鳴らす。この後の返答次第でファステリアの未来が変わると理解しているようだ。