捨てられた妃 めでたく離縁が成立したので出ていったら、竜国の王太子からの溺愛が待っていました2
「ふむ、調査した後になるが相応の罰を与える」
「そうですね、なにせラクテウスの王太子暗殺未遂に加担したのですから、極刑を……と言いたいところですが主犯から脅されたと言っています」
「では、もし今聞いたことが事実であれば王族から除籍の上、シトリン商会の運営権限の剥奪、国外追放といったところでどうであろう」

 提案された内容は裸ひとつで追放するというものだ。クリフは途中から参加したのもあり、脅されて加担したのならこの辺が妥協点か。本当ならアレスを殺そうとした時点で極刑にしたいけれど、魔法誓約までしてくれた国王の誠意を汲もう。

「それでお願いします」
「そんな、オレの商会……王族からも除籍なんて……」

 クリフはガックリと項垂れてなにか呟いていたけれど、もうどうでもよかった。

「クリフは終わったわ。では次に行きましょう」
「はい、お嬢様。今度は転移魔法でお連れいたします」

 私はアレスに寄り添い、転移魔法に身を委ねる。真っ白な光に包まれて、ファステリア王国を後にした。


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