捨てられた妃 めでたく離縁が成立したので出ていったら、竜国の王太子からの溺愛が待っていました2
23話 愚か者への罰②
クリフの処罰が決まり、次は主犯のいるブルリア帝国へ向かった。
転移魔法の白い光が収まると、目に飛び込んできたのは驚愕に目を見開く皇帝陛下だ。
ここは皇帝陛下の執務室らしい。最高級の木材を使った執務机に書類が積み重ねられている。皇帝はペンを手にしたまま固まり、宰相もポカンとした顔で突っ立っていた。
「ななっ! なんだ!? なぜ、お前たちが!?」
「父上っ! こ、こいつらをどうにかしてください!! 計画はすべてばれています!!」
私はうるさいふたりを無視して、竜王様の委任状を皇帝に見せた。
「この通り、私が竜王様の代理として、こちらにやってまいりました」
委任状に視線を落とした皇帝はだらだらと冷や汗を流している。ラクテウス王国の怒りを買ったらどうなるかは知っているらしい。
「こんな紙切れ一枚で騙されると思うなっ!」
そう言って、皇帝は竜王様が書いた委任状をビリビリに破り捨てた。
こうなる可能性も考慮していたので、私としては困らない。しかも皇帝は自分で自分の首を絞めたことに気付いてもいないだろう。
「いくら竜人でも、お前のような女に代理を務めさせるわけがな——」
「ロザリアちゃん! 委任状が破損したみたいだけど、なにかあった?」