捨てられた妃 めでたく離縁が成立したので出ていったら、竜国の王太子からの溺愛が待っていました2
「黙れ。僕の妻は後にも先にもサラだけだ」
「ひぃっ!!」

 さすがに竜王様の覇気をまともに受けたセラフィーナは、ガタガタと震えその場に座り込んだ。

 どうしてこの一族は竜人の番を貶めたがるのだろう。いい加減学習しないのだろうか。そんな呆れた気持ちを切り替えて、謁見室の高官や貴族たちに訴えた。

「これでブルリア帝国の皇族が、私たちにどれほどの無礼と犯罪を犯してきたかご理解いただけましたか?」
「ぐぬっ……!!」
「ではこの愚かな者たちに私の希望を伝えます」

 ここまで詳しく説明したのには理由がある。
 私の希望を通すため、そしてその後も円滑に物事が運ぶようにするためだ。

「帝国はこの時をもって解体し、国土についてはアステル王国へ譲渡を。そして本日よりアステル帝国と名を変え、また皇帝には現アステル王国の国王、クライブ・リオ・アステルの任命を希望いたします」

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