捨てられた妃 めでたく離縁が成立したので出ていったら、竜国の王太子からの溺愛が待っていました2
突然アレスに連れてこられたクライブ国王には申し訳ないけれど、私が心から信用できる国王はこの人しかいない。
それに簡単に国璽を押さない辺りは、さすがと言える。しっかりと書類に目を通し慄いていた。
こうなると予想できたので、不意打ちで連れてくることにしたのだ。
「いや、だってこれ帝位譲渡って書いてありますけど!? 」
「大丈夫だ。ほら帝国の建国記念祭で俺が助けた義理をここで返せ」
アレスも援護射撃をしてくれる。代わりにクライブ国王の顔には絶望に染まった。
「えええ、そんな……!」
「これはクライブ国王にしかできないことなのです。お願いします」
「わ……わかり、ました……」
私とアレスが真剣な面持ちでお願いすると、渋々といった様子で頷いてくれた。
恐る恐る私が用意した帝位譲渡書にサインをして国璽を押印する。今度はその書類をブルリア帝国の皇帝の前へ出した。
「はい、貴方もサインと国璽をお願いね」
「ゔゔゔっ……!」
喉が潰れて声が出ないのか、皇帝は唸り声しか発せないようだ。おかげで口汚く罵る言葉を聞かなくて済んだ。
アレスと竜王様が睨みを利かせているので、もう抵抗する気はないようだった。震える手でサインをして国璽を押す。
それに簡単に国璽を押さない辺りは、さすがと言える。しっかりと書類に目を通し慄いていた。
こうなると予想できたので、不意打ちで連れてくることにしたのだ。
「いや、だってこれ帝位譲渡って書いてありますけど!? 」
「大丈夫だ。ほら帝国の建国記念祭で俺が助けた義理をここで返せ」
アレスも援護射撃をしてくれる。代わりにクライブ国王の顔には絶望に染まった。
「えええ、そんな……!」
「これはクライブ国王にしかできないことなのです。お願いします」
「わ……わかり、ました……」
私とアレスが真剣な面持ちでお願いすると、渋々といった様子で頷いてくれた。
恐る恐る私が用意した帝位譲渡書にサインをして国璽を押印する。今度はその書類をブルリア帝国の皇帝の前へ出した。
「はい、貴方もサインと国璽をお願いね」
「ゔゔゔっ……!」
喉が潰れて声が出ないのか、皇帝は唸り声しか発せないようだ。おかげで口汚く罵る言葉を聞かなくて済んだ。
アレスと竜王様が睨みを利かせているので、もう抵抗する気はないようだった。震える手でサインをして国璽を押す。