捨てられた妃 めでたく離縁が成立したので出ていったら、竜国の王太子からの溺愛が待っていました2
「はあ、まさかあの話が出るとは思わなかったわ」
「でも店主の表情は明るかったし、悪くはないようだ」
「そうね。クライブ皇帝なら大丈夫よ」
「しばらくは大変だろうけどな」

 それもそうだ。あの日突然押しつけた形になったけれど、管理する規模が違うしさまざまな決定や改変、雑務が押し寄せているだろう。

「お手伝いした方がいいかしら?」
「ああ見えてクライブは有能だから、心配いらない。トラブルが起きた時に手を貸すくらいが、ちょうどいいんだ」
「……それなら、落ち着いた頃に一度顔を出すわ」

 その日の夜はふたりで甘くて熱くて、とろけるような時を過ごした。



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