捨てられた妃 めでたく離縁が成立したので出ていったら、竜国の王太子からの溺愛が待っていました2
「ふふふ……! ロザリアったらさすが私の娘だわ! ふふっ、くふふふふ!」

 お母様はお腹を抱えて笑っている。こんなにはの笑うのは初めて見たかもしれない。

「……すごい、アステル王国を帝国にしたのが姉上だなんて、すごいです!! ああ、姉上はいつでもボクの道標だ!」

 セシリオはきらきらと輝く瞳で私を見つめている。変な方向に走らなければいいけれど。

「ロザリアの望みを叶えるのが俺の役目だから、遠慮は不要だ」

 そして、そんな風に私をとことん甘やかす夫は、私が望めば世界も手に入れると言いそう……いや、前に言っていた。

 こうして穏やかで幸せな時間は過ぎていく。
 みんなに強固に勧められ、つわりが治るまではこのまま実家で過ごすことになった。アレスはラクテウスとスレイド領を行ったりきたりしている。

 竜王様やサライア様もちょくちょく顔を見せてくれるし、カイル様もジュリア様も週に一度は魔道具開発の相談も兼ねてスレイド家にやってくる。

 私は素材も集まったので、調子のいい時は番を探す魔道具の開発を進めて、ついに番を探す魔道具を完成させることができた。

 優秀すぎるアレスがレッドベリルさえも採掘できるようになっていたので、魔道具開発者の夢と言われる時を戻る魔道具を開発できるかもしれない。

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