捨てられた妃 めでたく離縁が成立したので出ていったら、竜国の王太子からの溺愛が待っていました2
そのままダンスフロアへ進んでアレスに寄り添うと、スマートなリードが始まる。今まで何度か元夫と踊ったことがあったけれど、比べ物にならないくらい踊りやすい。
支えられる手のひらには安心感があり、無茶な体重移動もなく優雅に舞うような足運びができる。久しぶりのダンスで肩に入っていた力も自然に抜けていった。
そういえば、アレスとは夜会やパーティー、練習も含めてダンスをしたことがなかったと思い出す。
「アレスがこんなにダンスが上手だなんて思わなかったわ」
「これでも一国の王子だったから、これでもかと教えられたんだ。番が貴族のご令嬢だった時にどうするんだ、と母上に言われたから必死で覚えた」
「ふふっ、サライア様は先見の明があるのね」
「ああ、おかげでロザリアを笑顔にできたし、こんな極上の女性が俺の妻だと見せびらかすことができた」
「まあ、それは私も同じだわ。こんな素敵な男性は私の夫だと宣言できたのですもの」
軽やかにステップを踏みながらクルクルと回り、参加者たちが踊る合間をすり抜けていく。
私の瞳にはアレスしか映っていない。アレスもまた私以外を映していない。お互いだけを感じて、見つめて、あっという間に三曲目まで終わってしまった。
支えられる手のひらには安心感があり、無茶な体重移動もなく優雅に舞うような足運びができる。久しぶりのダンスで肩に入っていた力も自然に抜けていった。
そういえば、アレスとは夜会やパーティー、練習も含めてダンスをしたことがなかったと思い出す。
「アレスがこんなにダンスが上手だなんて思わなかったわ」
「これでも一国の王子だったから、これでもかと教えられたんだ。番が貴族のご令嬢だった時にどうするんだ、と母上に言われたから必死で覚えた」
「ふふっ、サライア様は先見の明があるのね」
「ああ、おかげでロザリアを笑顔にできたし、こんな極上の女性が俺の妻だと見せびらかすことができた」
「まあ、それは私も同じだわ。こんな素敵な男性は私の夫だと宣言できたのですもの」
軽やかにステップを踏みながらクルクルと回り、参加者たちが踊る合間をすり抜けていく。
私の瞳にはアレスしか映っていない。アレスもまた私以外を映していない。お互いだけを感じて、見つめて、あっという間に三曲目まで終わってしまった。