捨てられた妃 めでたく離縁が成立したので出ていったら、竜国の王太子からの溺愛が待っていました2
「ふふっ、そんな言い方では独身のご令嬢は勘違いしてしまいますよ。心配しないでください。私もラクテウスに戻りましたら、ハイレット様が熱意を持って友好関係を結びたいようだったと竜王様に伝えます」
「え、あの、私はロザリア様の心を独占したいといっているのですが」
「ええ、ですから両国の友好関係を結ぶために、集中してほしいということですよね?」

 ダメだ。ロザリアにまるで伝わっていない。
 私の微笑みを見ても顔色ひとつ変えず、アルカイックスマイルを浮かべている。距離を縮めたつもりが、気が付いたら拳ふたつ分離れていた。

 なぜ、こんなにも魅力的な私に惹かれないのだ!? もっとストレートに伝えないとダメなのか!?

「ロザリア様、もし私が求婚したら受け入れてくれますよね?」
「え? 求婚ですか? ハイレット様、ご冗談にしては少々危険ですわ。もしアレスが耳にしたら大変なことになってしまいますよ」

 少し青ざめて真剣な表情でむしろ私を心配してくるロザリアに、やはり恋心のような甘い空気はない。
 いったいどういうことだ? ここまで私がアピールして、落ちなかった女はいなかったというのに!

 私は次になんと言葉と発すればいいのか、考えあぐねた。

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