捨てられた妃 めでたく離縁が成立したので出ていったら、竜国の王太子からの溺愛が待っていました2
獣人の国ファステリア王国は、大陸の西側に位置している。
グラシア領からは割と近いのだが、山を越えなければいけない。ファステリアまでの侵入を固く拒むように、連なる山がそびえ立っていた。
私は以前に何度か来たことがあるけれど、アレスは初めてだと言っていた。
山道は険しいものの、ファステリアまでの道のりは整備されている。山を越えるだけで二、三日掛かるそうで野営の準備もしっかり整えてきた。
転移魔法が使えれば一瞬だったけれど、一度訪れた場所でないと使えない。転移の魔道具も侵略防止の観点から、国を跨いで使えないように設定されている。
道中は休み休み進んできたけれど、概ね順調に進むことができた。
ただ、アレスが夜間に私に結界を張ってから、何度か姿を消したことがあった。少し埃っぽくて草木の匂いがしたけれど「もう片付きました」と言って、なにも答えてくれない。
もしかしたら魔物が近寄っていて討伐してくれたのかもしれない。私が怖がるのを懸念して、黙ってくれているのだと思った。
途中もハイレット様の調子が悪いようだったけれど、なにをどう尋ねても「大丈夫だ」と言うばかりだったので、そのまま進むことにした。
グラシア領からは割と近いのだが、山を越えなければいけない。ファステリアまでの侵入を固く拒むように、連なる山がそびえ立っていた。
私は以前に何度か来たことがあるけれど、アレスは初めてだと言っていた。
山道は険しいものの、ファステリアまでの道のりは整備されている。山を越えるだけで二、三日掛かるそうで野営の準備もしっかり整えてきた。
転移魔法が使えれば一瞬だったけれど、一度訪れた場所でないと使えない。転移の魔道具も侵略防止の観点から、国を跨いで使えないように設定されている。
道中は休み休み進んできたけれど、概ね順調に進むことができた。
ただ、アレスが夜間に私に結界を張ってから、何度か姿を消したことがあった。少し埃っぽくて草木の匂いがしたけれど「もう片付きました」と言って、なにも答えてくれない。
もしかしたら魔物が近寄っていて討伐してくれたのかもしれない。私が怖がるのを懸念して、黙ってくれているのだと思った。
途中もハイレット様の調子が悪いようだったけれど、なにをどう尋ねても「大丈夫だ」と言うばかりだったので、そのまま進むことにした。