† of Sword~剣の粛正
「さて」

と、いつかのように、その前置詞を皮切りにして、彼は一拍を置いた。

「僕が今日ここへ来たのは、ちょっと世間話をしようと思ってなんだ」

「それは――なぜ私が気を失っていたか、に関係してますか」

「うん、まさにその通り。回転の早い頭は好きだよ」

また、綺麗な笑み。透き通った眼差しが、柔らかく細くなった。

メガネをケースにしまう。ことりと、それをベッド脇のテーブルに置くまで、彼は待っていてくれた。

「質問をしたいのだけど、世界とはまずどんなものだと思う?」

……不躾にも、ほどがある。

「いきなり大きすぎる質問ですね。こないだは死について。今度は、世界について。私が中学生だということは言いましたっけ?」

「大きすぎるもなにもないよ。ただ、答えるか答えないか。人は答えを持っていないと言うことはあり得ない。必ず、大小自論を有してる。それを発言するか否かだよ。君の自論は?」
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