† of Sword~剣の粛正
「……世界は、――大きいと思います。私ひとりが理解できるものは本当にわずかですけど、それでさえも、私は理解なんてしきれない。
いつだって、時間や人に追われているかもしれないし、なにかの途中でしかないと思うんです。
そんな、自分の周囲ですらあわただしいのに、それよりも大きな、何十億という人間が暮らしている世界は、ひたすら大きいと思います」
「そう、その通り、世界は大きい。間違ってなんかない、立派な自論さ。それを発言できる人間は大好きだよ。芯があるというだけと、その芯を現せるということには、大きな差が生まれるからね。分類されるなら、断然後者さ」
一歩は小さいのに、大きな差が生まれる。そういうことを言いたいんだろうか。
「うん、そういうことを言いたいんだよ、僕は」
また、心を見透かされたような。
あの真っ黒で、けれど眩しい部屋の時も思ったが、なぜ彼はこんなに私の心情を汲み取るのだろう。
いつだって、時間や人に追われているかもしれないし、なにかの途中でしかないと思うんです。
そんな、自分の周囲ですらあわただしいのに、それよりも大きな、何十億という人間が暮らしている世界は、ひたすら大きいと思います」
「そう、その通り、世界は大きい。間違ってなんかない、立派な自論さ。それを発言できる人間は大好きだよ。芯があるというだけと、その芯を現せるということには、大きな差が生まれるからね。分類されるなら、断然後者さ」
一歩は小さいのに、大きな差が生まれる。そういうことを言いたいんだろうか。
「うん、そういうことを言いたいんだよ、僕は」
また、心を見透かされたような。
あの真っ黒で、けれど眩しい部屋の時も思ったが、なぜ彼はこんなに私の心情を汲み取るのだろう。