† of Sword~剣の粛正
しかし、いくらなんでも込み入っている。今役立っているの教科書に載っている公式や文法よりもむしろ、彼が持っているファンタジーの要素だった。

「それで、だ。その結果ばかりを、つまり殺人と定義できるだけの行程を踏まえない唐突な死ばかりを与えている人がいるんだ。与えてる? いや、少し齟齬があるな。ばら撒いてる、と言おうか。叩きつけてると言おうか。世界はおかげで、中途半端になっている。恐ろしいよね、これは。君さ、三角だらけの世界なんて見たい? 僕なら、丸かペケかになってほしいね」

「……」

黙っていると、彼は本をベッドに置いた。

「ああ、悪い。そろそろ世間話も飽きてきたよね。僕の用件――いや、要求か。そう、要求を言おう」

「ただの中学生でしかない被害者に、なにを要求するんですか?」

「ただの中学生でしかない被害者に、僕は、粛正を要求するよ」

まったく同じ口調と羅列で返してくる彼は、わざとらしい。
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