† of Sword~剣の粛正
「粛正……? なんですか、それ」

「僕達教会が行っている、言わば仕事だよ。君にね、できるのならやってもらいたい。君を殺した人間を、処分してほしい」

処分――それは、つまり、

「私に、人を殺せって言うんですか」

「君に嘘は使えない。だから、そうだ、と白状するよ」

ずいぶん、簡単に言ってくれた。

「……そんなことは、」

「できない、という『嘘』は言わせないよ」

遮った彼の眼に、瞬間、見惚れさせられる。

透き通っているから無垢だとは、限らない。

真実を見ると言われた私の裸眼は、今、彼の表情に、なにかの運命を感じていた。

「僕は君の真実を知ってる。言っただろう。君は自分の存在を定義する時、不必要を省き、必要を加算した。

君が自分で見た、そしてその手に掴んでいたものはなんだい? あれは、君が必要だから手にしたものだ。

つまり君は、粛正を運命付けられている。自分で望み、それを加算したんだからね」
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