† of Sword~剣の粛正
「人は君の心情を呆然という言葉で表すよ」

「……」

やけに冷静な診断を下される。アナタには、私の心が丸見えとでも?

ありえない話じゃない……と、奇妙ながら思った。彼の瞳の、それはそれは澄んでいること。

ひょっとしたら、私の心境など透視しているのではないだろうか。

「読心術は使えないから、僕は。そんなに睨まなくてもいいさ」

「……」

否定されるものの、それすら心を読まれたように感じる。私の目が語りすぎなのか、どうか……。

「……メガネ……」

「うん?」

思わず呟いた単語に、彼は後ろ手を組み、腰を折って、耳を近づけてきた。

「メガネ……私、かけてない……」

「なんだ、そう、そんなことか」

簡単に流してしまった彼が、また私の周りを歩き始める。
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