† of Sword~剣の粛正
コツン、コツン。
「言っただろう。君は死んだ。そして今は再構築中なんだよ。つまりね、一度分解された君の定義が、君の意思に基づいて証明され直されている。ここで、君が必要と思わない要素は加算されない。君は自分で、メガネを不必要な要素へ調律確定しただけだよ」
「……」
「意味はわかるかい?」
「……漠然と」
「上出来だよ」
トントン、と寝台が指でノックされる。彼は私の右から、左へ移動していた。
天井は、ひたすらに白く眩しい。
「まだ起き上がれないかい?」
「ええ……」
「そうか。でもそれは罪じゃない。今は自己定義の証明に専念しながら、片手間で僕の話を聞いてくれるかな」
コツン、コツン、彼はまた歩き出す。私の足のほうへ。
私は今、服を着ていない。つまり、足のほうへ回られるということは、人として恥ずかしい部分が見えてしまうということ。
今まで、彼は何度も寝台の周りを歩いている。だけど、そういう慣れとは違う、平淡とした心地。
私は恥すらも今、凪いでいるらしい。恐らく彼の言う、自己定義を証明するために。
右手は強く、黒い剣を握っていた。
「言っただろう。君は死んだ。そして今は再構築中なんだよ。つまりね、一度分解された君の定義が、君の意思に基づいて証明され直されている。ここで、君が必要と思わない要素は加算されない。君は自分で、メガネを不必要な要素へ調律確定しただけだよ」
「……」
「意味はわかるかい?」
「……漠然と」
「上出来だよ」
トントン、と寝台が指でノックされる。彼は私の右から、左へ移動していた。
天井は、ひたすらに白く眩しい。
「まだ起き上がれないかい?」
「ええ……」
「そうか。でもそれは罪じゃない。今は自己定義の証明に専念しながら、片手間で僕の話を聞いてくれるかな」
コツン、コツン、彼はまた歩き出す。私の足のほうへ。
私は今、服を着ていない。つまり、足のほうへ回られるということは、人として恥ずかしい部分が見えてしまうということ。
今まで、彼は何度も寝台の周りを歩いている。だけど、そういう慣れとは違う、平淡とした心地。
私は恥すらも今、凪いでいるらしい。恐らく彼の言う、自己定義を証明するために。
右手は強く、黒い剣を握っていた。