† of Sword~剣の粛正
「ところで、砂嵐になる直前の切り替えが、人間の知覚許容を超越してしまった場合、どうなると思う?」

一周して、また私の左に来た彼は、寝台を指でノックした。

私は答える。半ば、疑問符を混ぜて。

「呆然とする。ちょうど、私のよう、に……」

「ああ、うん、やっぱり君は頭がいい。それに補足をつけつあげよう」

コツン。コツン。と、彼はまた足のほうへ。

「認識できない死は、人間の存在定義を強制消去してしまおうとする。ところが、人間を構築するエレメントは数多くあってね、瞬時にとはいかない。情報的にも物質的にも、人間はお荷物だよ。消すのは難しい。世界の強制力でさえも、人間を死亡させるには幾多ものプロットを踏んで、運命付けなければならないしね」

「うん、めい? そんなものが……?」
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