転生公爵令嬢のイチオシ!
4
「リエッタ様も一緒に来てくださり、ありがとうございました」
学園の帰りにお礼を伝える。
「ストライブ様にお会いできて良かったですわね」
チラリとフレッドを見るリエッタ。
「ええ。本当に。それにあまり男性とお話をすることがないので緊張してまだドキドキおります。これからは公爵家の者らしく会話ができるようにならなければいけまませんね…」
さっきの挨拶がダメすぎて少し落ち込む。
「…メリアにはまだ早いと思うよ。その場合は必ず私を呼ぶように」
まだ手を繋いでいるお兄様がニッコリ笑って言う。
「そうですか?」
貴族社会の15歳はまだそういうものなのかしら?
「…では私はこちらで失礼します」
リエッタは家の馬車に向かって行った。
「私達も帰ろう」
馬車の中でも今後このようなことがあれば必ずお兄様を呼ぶようにと再度約束をさせられた。
「メリアは世界一可愛いから心配だ」
* * * * *
「ごきげんよう。リエッタ様」
「ごきげんよう。昨日はあれからどうなりましたか?」
「あれから?お兄様と仲良く帰りましたわ。また何かあったらお兄様にお伝えする約束をしましたの。優しいお兄様ですわ」
「まぁ。本当にメリアーナ様が可愛くてしょうがないのね。メリアーナ様には優しいでしょうけど、ご令息方にはかなり厳しいですわよ」
「そうかしら?」
「元婚約者のダンテ様はしばらく学園を休学されているらしいですわよ」
「まぁ。そうなのですね」
なんでアイツの話?
「フレッド様からかなり厳しいお言葉があったとか。今後メリアーナ様に近づくことはないと思いますわ」
「お兄様が?」
「あと、昨日ストライブ様に先にお話をされたのもメリアーナ様のことをどう見ているのかの確認と牽制の意味があったと思いますわ」
「ええ!?」
「周りを見ると分かりますわよ」
「?」
キョロキョロ見回すとこちらを見ていたと思われる令息達がサッと顔を反らす。
「メリアーナ様が婚約解消したあとからは、特に他のご令息方を牽制されていますわよ」
「……なにそれ」
俯いてポツリと呟く。
「?」
「最っ高っじゃん!!」
バンッと机を手のひらで叩く!
「妹が大好きな美しい兄!お嫁に行くまでは僕が妹を守る!僕が守ってあげないといけないんだ!お兄様の独・占・愛!?」
体がプルプル震える。
「マジで最高!!麗しの兄妹愛!そしてそんな兄に甘える妹!憧れてたのよね~!」
頬を染めてホゥッとため息が出る。
「…そう」
「前はひとりっ子だったからなー。憧れのお兄様!あんなに美しい人が甘えさせてくれるなんて!子供の時代はすぐに過ぎてしまうのよ!今のうちじゃん!しかもお兄様に婚約者ができてしまったらもう無理なの?お兄様に婚約者!?えぇ!?そんなの嫌!でも余計に今のうちね!」
「メリアーナ様、完全に芽衣になってますわよ」
「早速お兄様とデートの予定を立てなきゃ!それとも旅行!?学校の授業なんて受けてる場合!?私のお兄様を!この麗しの兄妹愛を見せつけてデートよー!」
「…」
「私の『イチオシ』のお兄様に会いに行くわ!!」
教室を出てお兄様の所へ向かう。
「これから苦労しますわよ」
リエッタの呟きは聞こえていなかったメリアーナだった。
学園の帰りにお礼を伝える。
「ストライブ様にお会いできて良かったですわね」
チラリとフレッドを見るリエッタ。
「ええ。本当に。それにあまり男性とお話をすることがないので緊張してまだドキドキおります。これからは公爵家の者らしく会話ができるようにならなければいけまませんね…」
さっきの挨拶がダメすぎて少し落ち込む。
「…メリアにはまだ早いと思うよ。その場合は必ず私を呼ぶように」
まだ手を繋いでいるお兄様がニッコリ笑って言う。
「そうですか?」
貴族社会の15歳はまだそういうものなのかしら?
「…では私はこちらで失礼します」
リエッタは家の馬車に向かって行った。
「私達も帰ろう」
馬車の中でも今後このようなことがあれば必ずお兄様を呼ぶようにと再度約束をさせられた。
「メリアは世界一可愛いから心配だ」
* * * * *
「ごきげんよう。リエッタ様」
「ごきげんよう。昨日はあれからどうなりましたか?」
「あれから?お兄様と仲良く帰りましたわ。また何かあったらお兄様にお伝えする約束をしましたの。優しいお兄様ですわ」
「まぁ。本当にメリアーナ様が可愛くてしょうがないのね。メリアーナ様には優しいでしょうけど、ご令息方にはかなり厳しいですわよ」
「そうかしら?」
「元婚約者のダンテ様はしばらく学園を休学されているらしいですわよ」
「まぁ。そうなのですね」
なんでアイツの話?
「フレッド様からかなり厳しいお言葉があったとか。今後メリアーナ様に近づくことはないと思いますわ」
「お兄様が?」
「あと、昨日ストライブ様に先にお話をされたのもメリアーナ様のことをどう見ているのかの確認と牽制の意味があったと思いますわ」
「ええ!?」
「周りを見ると分かりますわよ」
「?」
キョロキョロ見回すとこちらを見ていたと思われる令息達がサッと顔を反らす。
「メリアーナ様が婚約解消したあとからは、特に他のご令息方を牽制されていますわよ」
「……なにそれ」
俯いてポツリと呟く。
「?」
「最っ高っじゃん!!」
バンッと机を手のひらで叩く!
「妹が大好きな美しい兄!お嫁に行くまでは僕が妹を守る!僕が守ってあげないといけないんだ!お兄様の独・占・愛!?」
体がプルプル震える。
「マジで最高!!麗しの兄妹愛!そしてそんな兄に甘える妹!憧れてたのよね~!」
頬を染めてホゥッとため息が出る。
「…そう」
「前はひとりっ子だったからなー。憧れのお兄様!あんなに美しい人が甘えさせてくれるなんて!子供の時代はすぐに過ぎてしまうのよ!今のうちじゃん!しかもお兄様に婚約者ができてしまったらもう無理なの?お兄様に婚約者!?えぇ!?そんなの嫌!でも余計に今のうちね!」
「メリアーナ様、完全に芽衣になってますわよ」
「早速お兄様とデートの予定を立てなきゃ!それとも旅行!?学校の授業なんて受けてる場合!?私のお兄様を!この麗しの兄妹愛を見せつけてデートよー!」
「…」
「私の『イチオシ』のお兄様に会いに行くわ!!」
教室を出てお兄様の所へ向かう。
「これから苦労しますわよ」
リエッタの呟きは聞こえていなかったメリアーナだった。