転生公爵令嬢のイチオシ!

学園祭2日目。
今は学園に向かっているところ。

昨日屋敷に帰ったらお母様が教えてくれた。

「まぁ、メリィ!その花束は?」

「…レイ様にいただきました」

頬を赤くしてお母様に伝える。

「そうなの」

優しく微笑んでくれた。
私の赤い顔で何かを察したようだ。
パーティーのエスコートの件もあったし、レイ様の気持ちも分かっているのだろう。

「メリィに出逢えて嬉しいって想ってくれているのね」

「…」

手に持っている薔薇を見つめる。

レイ様はどうしてそう思うの?

初めて会ったのは私を保健室に運んでくれた時のはずよね?
挨拶をしたのは私の怪我が治ってから。
あれからまだ月日はそんなに経っていないのに。

そして、私は…?

まだ答えが見つからない…。


学園に着くとレイ様が待っていてくれた。
教室まで送ってくれているあいだ、何を話せばいいか分からずただ赤い顔で俯いていた。
昨日と同じように手を繋いでいる。

「…あの、今まで通りでいいから」

「え?」

「いや、私のことは前向きに考えて欲しいのはそうなんだけど…」

「…」

「でも、今まで通りに話はしたいな。いいかな?」

照れた顔で微笑むレイ様。

「は、はい。お返事はもう少しお時間をください」

「うん」

繋いだ手に力がこもる。
優しい眼差しで私の手を握ってくれるレイ様の手に安心した。

「ではあとで講堂Bに行くね」

教室に入ると皆が私の方を見た。

『昨日の熱烈な演奏聞いた?』
『ステキよねー!』
『ヴァイオリンもお上手なのね』

席に着くと里英ちゃんと早苗様が近くに来てくれた。

「ほら!準備して講堂Bへ向かうわよ!」

里英ちゃんが背中をポンと叩いた。

「またお茶会をしましょう」

早苗様もポンとしてくれた。

考えをまとめるのはあとだ!
今日はみんなで作り上げたゲームを成功させよう!

「では皆様、今日が本番です。絶対に成功させましょう!そして、人気投票の1位を取るわよー!」

里英ちゃんの気合いが最高潮!
クラスの皆も盛り上がった!


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