転生公爵令嬢のイチオシ!
レイ様とふたりで学園のレストランへ行った。
お昼もすでに過ぎているし、疲れさせてしまったレイ様に何か飲み物を飲んで休憩してもらいたい。

「レイ様、今日は本当にごめんなさい」

レストランの席に着いてレイ様に謝る。

「え?」

レイ様も座りながら不思議そうな顔をする。

「私のクラスのゲームを見に来たばかりに巻き込んでしまいました」

「フフッ。とても楽しかったよ。メリアーナが私が贈ったものを大切にしてくれていることも分かったしね」

私を見て嬉しそうな顔をするレイ様。

「!!」

そうだった!
恥ずかしいこといっぱいあった!!

「でもレイ様、とても格好良かったです。ゲームに協力してくださってありがとうございました」

本当に格好良かったわ!
普段見れないようなレイ様がたくさん見れた。

「…いや、こちらこそありがとう」

「え?」

逆にお礼を言われることなんてないのに。

「さぁ、食事にしよう」

レイ様がクスリと笑ってランチを勧めてくれた。

「は、はい」

ゲームの仕掛けがすごいねとか、みんなでクッキーを作った話をしてランチを食べてからお茶を飲んでゆっくりしていた。

レイ様に私の好きなお菓子の問題が出た時の話を聞きたい。
そう思っていたら、3人のご令嬢達がこちらに近づいて来た。

「あの、少々よろしいでしょうか?」

「あなたは!お久し振りです。どうされましたか?」

レイ様のお知り合いかしら?

「私たちは学園祭でミスター・ミスコンテストを企画しております。私は代表者のカタリナ・ヴァリテと申します。アレックスの姉でございます」

ヴァリテ様と同じ赤い髪に黒い瞳の綺麗なお姉様だ。

「実はおふたりにコンテストに出場していただきたいのです!」

カタリナ様は手を胸の前で組み合わせて必死に訴える。

「えええ!?」

レイ様と顔を見合わせる。

「レイ!出場してあげてくれないかな。何やら非常事態のようなんだ」

「いったいどうしたんだ?アレックス」

ヴァリテ様も来てレイ様の隣に立つ。

「そうなのです!実は出場予定の立候補者が怪我をしてしまったり、今日の都合が悪くなってしまった方がいらっしゃいまして、出場人数が少なくなってしまったのです!」

カタリナ様がさらに必死で訴える。

「なので急遽、本日短い時間で募集したノミネート枠を集計をしていましたら、おふたりがノミネートされました。ぜひコンテストに出場していただけないでしょうか!」

「今、注目のおふたりならこのコンテストの目玉になると思うのです!」

「ぜひ、お願いいたします!!」

他の方にもお願いされる。

コンテストなんて無理!!
レイ様と困った顔をしていた。

「私も出場するからさ」

ポンとレイ様の肩をヴァリテ様が叩く。

断りきれず私達も出場することになってしまった。


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