転生公爵令嬢のイチオシ!
2
そして、レイ様が正式に婚約者になった。
公爵家は朝からソワソワしていて、お父様とお兄様は私を助けてくれた件からはレイ様にとても好意的だ。
でもちょっと複雑そうな顔もしている。
…泣きそうにも見える。
当日のレイ様は服装も髪型も大人びていて、また私はポーッと見惚れてしまった。
そしてレイ様の挨拶にはとても感動して泣いてしまい、レイ様が私を愛おしそうに見つめながら涙を拭いてくれた。
学園を卒業後に結婚する予定。
「そうなんだ。おめでとう。レイの想いが届いてよかったよ」
学園の教室でライル殿下と話をしている。
ライル殿下のことはレイ様から聞いた。
レイ様のことを思ってだから複雑だけど…。
「ライル殿下のご婚約者様はどのような方なのですか?」
「年上なんだけど、とても可愛い人だよ。少し無鉄砲なところがあって目が離せないけどね。だから今はとても心配だよ」
優しく微笑みながら恋人のことを語るライル殿下。
ご婚約者様はとても愛されているのね。
「いつかお会いしてみたいです」
「レイとふたりでぜひ私の国に来て。ブランカ王国には珍しくて綺麗な花がたくさんあるよ」
行ってみたい!
「さて、皆様。無事に学園祭の人気投票1位を獲得いたしました!ありがとうございました!」
ワァー!とクラスの皆が喜び合う。
「景品は『学園に要望をひとつ叶えてもらえる』ということで、皆様から案をいただき多数決を取りましたね!」
何になったんだろ?
「『学生用レストランに新しいデザートを追加する』に決まりました!」
新しいデザート!
嬉しいわ!
「デザートは私、リエッタにお任せしていただけるということでしたので、本日ご用意いたしました!最初に食べれる権利付きで学園に要望を出しました。早速レストランへ行きましょう!」
皆も嬉しそうにレストランへと移動する。
「今日用意してあるの?すごいね!どんなデザートなの?」
「それは見てのお楽しみよ!!」
「またそれ!?」
でもデザートなんてワクワクする!!
レストランに行くと皆が不思議そうにしている。
『何これ?』『初めて見る食べ物ね』
なんて言っている。
「?」
どんなデザートかしら?と思っていたら里英ちゃんが皆に声を掛けた。
「皆様!こちらのデザートは我がクラスのゲームに協力してくださった、こちらのかたが関係しています。なのでまず最初は…」
え?
「メリアーナ!こちらへ!」
レイ様が笑顔で手招きしている。
「え!?レイ様!」
「はい。どうぞ」
レイ様が私の手のひらの上に乗せたものは…。
「ええ!? 大福!!」
「半年前くらいに小豆が手に入ってから試作を繰り返していたんだ。マクラナ嬢から『宮本専務だったら作ってるはずですよね?』なんて言われたよ」
クスリと笑うレイ様。
「商品化して学園のレストランに卸してみたんだ」
「宮本専務…」
私を優しく見つめる瞳。
宮本専務のあの優しい瞳がレイ様と被る。
私を見つめながら手のひらの上に大福を乗せてくれていたあの人の。
あの頃に時が戻ったみたい…!!
「……最初に食べてみて。芽衣ちゃん」
私の両手をレイ様の両手でそっと包んでくれる。
その手が少し震えている。
微笑んでいるけど、泣きそうな瞳…。
皆が私を見ていた。
里英ちゃんも早苗様も笑顔で私を見ている。
震える手でそっと大福を掴み、包みを開いて一口食べる。
「……美味しいです」
ワァッ!と皆も大福が乗っているお皿を受け取り席に着いて食べ始めた。
私は涙が止まらなくて、止まらなくて…。
懐かしい大福の味は甘くて少ししょっぱかった。
でも私はこの味をきっといつまでも忘れない。
宮本専務とレイ様の気持ちが痛いほど伝わるこの味を……。
公爵家は朝からソワソワしていて、お父様とお兄様は私を助けてくれた件からはレイ様にとても好意的だ。
でもちょっと複雑そうな顔もしている。
…泣きそうにも見える。
当日のレイ様は服装も髪型も大人びていて、また私はポーッと見惚れてしまった。
そしてレイ様の挨拶にはとても感動して泣いてしまい、レイ様が私を愛おしそうに見つめながら涙を拭いてくれた。
学園を卒業後に結婚する予定。
「そうなんだ。おめでとう。レイの想いが届いてよかったよ」
学園の教室でライル殿下と話をしている。
ライル殿下のことはレイ様から聞いた。
レイ様のことを思ってだから複雑だけど…。
「ライル殿下のご婚約者様はどのような方なのですか?」
「年上なんだけど、とても可愛い人だよ。少し無鉄砲なところがあって目が離せないけどね。だから今はとても心配だよ」
優しく微笑みながら恋人のことを語るライル殿下。
ご婚約者様はとても愛されているのね。
「いつかお会いしてみたいです」
「レイとふたりでぜひ私の国に来て。ブランカ王国には珍しくて綺麗な花がたくさんあるよ」
行ってみたい!
「さて、皆様。無事に学園祭の人気投票1位を獲得いたしました!ありがとうございました!」
ワァー!とクラスの皆が喜び合う。
「景品は『学園に要望をひとつ叶えてもらえる』ということで、皆様から案をいただき多数決を取りましたね!」
何になったんだろ?
「『学生用レストランに新しいデザートを追加する』に決まりました!」
新しいデザート!
嬉しいわ!
「デザートは私、リエッタにお任せしていただけるということでしたので、本日ご用意いたしました!最初に食べれる権利付きで学園に要望を出しました。早速レストランへ行きましょう!」
皆も嬉しそうにレストランへと移動する。
「今日用意してあるの?すごいね!どんなデザートなの?」
「それは見てのお楽しみよ!!」
「またそれ!?」
でもデザートなんてワクワクする!!
レストランに行くと皆が不思議そうにしている。
『何これ?』『初めて見る食べ物ね』
なんて言っている。
「?」
どんなデザートかしら?と思っていたら里英ちゃんが皆に声を掛けた。
「皆様!こちらのデザートは我がクラスのゲームに協力してくださった、こちらのかたが関係しています。なのでまず最初は…」
え?
「メリアーナ!こちらへ!」
レイ様が笑顔で手招きしている。
「え!?レイ様!」
「はい。どうぞ」
レイ様が私の手のひらの上に乗せたものは…。
「ええ!? 大福!!」
「半年前くらいに小豆が手に入ってから試作を繰り返していたんだ。マクラナ嬢から『宮本専務だったら作ってるはずですよね?』なんて言われたよ」
クスリと笑うレイ様。
「商品化して学園のレストランに卸してみたんだ」
「宮本専務…」
私を優しく見つめる瞳。
宮本専務のあの優しい瞳がレイ様と被る。
私を見つめながら手のひらの上に大福を乗せてくれていたあの人の。
あの頃に時が戻ったみたい…!!
「……最初に食べてみて。芽衣ちゃん」
私の両手をレイ様の両手でそっと包んでくれる。
その手が少し震えている。
微笑んでいるけど、泣きそうな瞳…。
皆が私を見ていた。
里英ちゃんも早苗様も笑顔で私を見ている。
震える手でそっと大福を掴み、包みを開いて一口食べる。
「……美味しいです」
ワァッ!と皆も大福が乗っているお皿を受け取り席に着いて食べ始めた。
私は涙が止まらなくて、止まらなくて…。
懐かしい大福の味は甘くて少ししょっぱかった。
でも私はこの味をきっといつまでも忘れない。
宮本専務とレイ様の気持ちが痛いほど伝わるこの味を……。