転生公爵令嬢のイチオシ!
番外編

.ドキドキのストライブ侯爵家

数日前から私は緊張している。
とてつもなく!!

昨日の夜はまったく眠れなかった…。

そんな状態でもロジー達が完璧に仕上げてくれた。
睡眠不足でコンディションが悪かったと思うのに…。
本当にありがとう!

触りたくなるサラサラの綺麗な髪、サイドは可愛らしく結っていて、大きな碧い瞳はパッチリと、スベスベの肌に、プルツヤの唇。

今日はレイ様のご家族と初めてお会いする!!

一大イベントである!!
私はレイ様の未来のお嫁さんとして気に入ってもらえるのかしら。
きちんとご挨拶できるかしら。
同じことをグルグル考えている。
朝から震えが止まらない!

「お、お嬢様、大丈夫ですよ!しっかりなさってくださいませ!」

「そうですよ!こんなに可愛らしいお嬢様を気に入らないわけはありませんわ!」

緊張で真顔になってしまった私を皆が心配し、励ましてくれる。
いつもだったらおしゃれにしてくれたロジー達と鏡の前ではしゃぐ女の子にとって楽しい時間なのに…。

『婚約者のご家族に会いに行く』バージョンのメリアーナに仕上げてくれたのに!

怖い!
失敗したらどうしよう!!
固まって座ったまま動けないでいる。
よく考えたら私ってまだ15歳なのよ!?
それなのにご両親へのご挨拶って早すぎじゃない!?
そりゃあ緊張するわ!!

それに学園でも社交界でも人気が高いレイ・ストライブよ!
私でいいの…?
どんどん悪い方に考えてしまう。

コンコン

「お嬢様、レイ様が…」

「どうしよう!!」

大声を出してしまった!
レイ様が来てくれた!?
もう時間!?

「迎えに来たよ。メリィ」

「レイ様…」

青い顔の私を安心させるように抱きしめて包み込んでくれる。

「…本当に私でいいの?」

レイ様の胸に額をつけたまま聞く。

「私には君しかいないよ」

私の背中を優しく撫でてくれる。

「……」

「大丈夫だからね。私の家族皆、君に会いたがっているから」

レイ様の温もりはいつもホッと安心するのに。

「…レイ様ぁ」

私はギュッとレイ様の上着を掴み、涙で潤んだ大きな瞳でレイ様を見上げる。

「ッ!!」

レイ様の頬がサッと赤くなった。
手で顔を隠した。

「…大丈夫だから、本当に。そろそろ行こうか」

手を繋いで公爵家を出た。


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