転生公爵令嬢のイチオシ!
「私達のことはお義父様、お義母様って呼んでちょうだいね」

「レイ!良かったなぁ!」

「本当にお人形さんのように可愛いわぁ!娘ができるなんて嬉しいわ!」

お義母様からは『今度一緒にお出かけしましょう!』とか、お義父様からは『レイは君のことがずっと気になっていてね』なんて話を聞いた。

パタパタパタと急いで駆けてくる足音が聞こえた。

カチャリと扉が開く。

「遅くなってごめんなさい!」

部屋の扉が開き、登場したのはレイ様と同じ髪色、同じ瞳の色の美少年!

「弟のノアだ。7歳だよ」

レイ様が紹介してくれた。

小さなレイ様!?
レイ様の子供の頃はこんな感じだったのね、きっと。
……絶対にモテていたわね。

「お姉様……」

頬を赤くしているミニレイ様。

「あの、メリアお姉様って呼んでもいいですか?」

きゅるんとした大きな瞳で私を見ている。

「は、はい」

どうぞ!ミニレイ様!

「やったぁ!メリアお姉様!」

ギュッと私に抱きついて来た!

「僕、こんなに綺麗なお姉様ができて嬉しいです」

か、か、可愛いすぎてどうしよう!!!
震える手でミニレイ様の頭を撫でると、ミニレイ様がニコッと微笑んだ!!

天使!!
ここに天使がいます!!!

隣にいるレイ様のジャケットの袖口をギュウッと掴む。
ミニレイ様可愛いすぎるんですけど!?という気持ちが抑えきれない!
悶えすぎて涙目でレイ様を見上げる。

「ッ!!」

レイ様はまた手で顔を覆っていた。

そして、その天使のミニレイ様はメリアーナにさらにギュッと抱きついたまま、兄の方を見てニヤリと笑っていた。

「……」

その兄は無言で笑顔を浮かべ、その親達は楽しそうにそれを見ていた。

「なんだか楽しくなりそうだね」

「そうねぇ」

何も知らないのはメリアーナだけだった。


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