婚約破棄された王太子を慰めたら、業務命令のふりした溺愛が始まりました。2
ところが王妃様の政務がフィル様に回ってきたことで忙しくなり、午前中に治癒室へ行く回数は増えている。
忙しいみんなを横目に事務仕事しかできない日々に、いつの間にかモヤモヤとした気持ちが溜まっていた。
「ラティ、最近元気ないね」
「え、そうですか?」
私の気持ちを敏感に察知したフィル様が、寝室で衝立の向こうから声をかけてきた。
「うん、もしかして治癒室のクレームの件?」
「……フィル様の耳にも入っていたのですね」
「エリアスから報告は受けていたよ。でもあれはラティのせいじゃない」
「いえ、あれだけクレームが来たのですから私が至らないのです」
毛布を掴む指先に力が入る。
そうだ、ひとりやふたりなら当たりが悪かったで済むけれど、もう両手で足りないほどクレームを受けた。
しばらく現場を離れている間に腕が落ちたのか、それとも私の対応が悪すぎて患者を不快にさせてしまったのか、どちらにしても私に非があるとしか思えない。
忙しいみんなを横目に事務仕事しかできない日々に、いつの間にかモヤモヤとした気持ちが溜まっていた。
「ラティ、最近元気ないね」
「え、そうですか?」
私の気持ちを敏感に察知したフィル様が、寝室で衝立の向こうから声をかけてきた。
「うん、もしかして治癒室のクレームの件?」
「……フィル様の耳にも入っていたのですね」
「エリアスから報告は受けていたよ。でもあれはラティのせいじゃない」
「いえ、あれだけクレームが来たのですから私が至らないのです」
毛布を掴む指先に力が入る。
そうだ、ひとりやふたりなら当たりが悪かったで済むけれど、もう両手で足りないほどクレームを受けた。
しばらく現場を離れている間に腕が落ちたのか、それとも私の対応が悪すぎて患者を不快にさせてしまったのか、どちらにしても私に非があるとしか思えない。