婚約破棄された王太子を慰めたら、業務命令のふりした溺愛が始まりました。2
 これならラティシア様も喜んでくれるに違いないし、余裕ができたフィルレス様ならもうひとつの提案もしやすくなる。

「なにそれ、最高だね。アイザック、そのように手配してくれ」
「承知いたしました」
「あ、この案件の返答が来ているね」

 少しだけ機嫌がよくなったフィルレス様だったが、すぐに次の政務に取りかかったので俺は言葉を飲み込んだ。



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