婚約破棄された王太子を慰めたら、業務命令のふりした溺愛が始まりました。2
「ラティはなにから食べたい?」
「……では温野菜のサラダからお願いします」
「ふふ、はいあーんして」
素直に口を開けると、柔らかく蒸されたニンジンが舌の上に乗せられる。野菜本来の甘さと少し酸味のあるドレッシングが絶妙で、いくらでも食べられそうだ。
これもコックたちが日々の相手のことを思い腕を磨き、創意工夫しながら調理してくれるおかげだと理解している。どんな食材も本当においしく調理されているのに、毒を盛り食べられなくした犯人が許せない。
「フィル様、絶対に犯人を捕まえてください。こんなおいしい料理をダメにする犯人は許せません」
今度コックたちにきちんと感謝の気持ちを伝えてこようと思った。だって自分の努力が無駄にされるのは、つらいことだと私は知っている。せめて私はちゃんと受け止めて評価していると伝えたい。
「うん、そうだね。ラティにあんなことをした時点で、僕が許さないけどね」
フィル様の黒い笑顔に、ああ、犯人はきっと悲惨なことになる……と私は悟った。
「……では温野菜のサラダからお願いします」
「ふふ、はいあーんして」
素直に口を開けると、柔らかく蒸されたニンジンが舌の上に乗せられる。野菜本来の甘さと少し酸味のあるドレッシングが絶妙で、いくらでも食べられそうだ。
これもコックたちが日々の相手のことを思い腕を磨き、創意工夫しながら調理してくれるおかげだと理解している。どんな食材も本当においしく調理されているのに、毒を盛り食べられなくした犯人が許せない。
「フィル様、絶対に犯人を捕まえてください。こんなおいしい料理をダメにする犯人は許せません」
今度コックたちにきちんと感謝の気持ちを伝えてこようと思った。だって自分の努力が無駄にされるのは、つらいことだと私は知っている。せめて私はちゃんと受け止めて評価していると伝えたい。
「うん、そうだね。ラティにあんなことをした時点で、僕が許さないけどね」
フィル様の黒い笑顔に、ああ、犯人はきっと悲惨なことになる……と私は悟った。