婚約破棄された王太子を慰めたら、業務命令のふりした溺愛が始まりました。2
8話 心強い友人たち
聖女ブリジット様と会ってから三日が過ぎた。
この日は妃教育が休みだったので、午前中は治癒室の手伝いに行って戻ってくる時に王族の食事を作る専用の厨房へ顔を出した。
「お疲れ様です。今お邪魔してもよろしいでしょうか?」
一斉にコックたちの視線が私に集まり、コックたちが驚きの表情を浮かべる。
「は……え!? ラティシア様!?」
「も、申し訳ございません! なにか粗相がありましたでしょうか!?」
私がフィル様の婚約者であることは厨房のコックたちも知っていて、コック長が前に出てきて真っ青な顔で謝罪されてしまった。
先日毒物混入があったばかりだから、またなにかあったのかと心配させてしまったようだ。
「あ、ごめんなさい、そうではないの。いつもおいしく調理していただいているから、今日は感謝の気持ちをお伝えしたかったのです」
「……え? 本当に? なにか食事で不手際があったのではなく?」
「不手際なんてとんでもない! 少し騒ぎが起きてしまったけれど、食事を駄目にされて私も本当に悔しかったです。それから、いつもおいしい食事を作っていただきありがとうございます」
「…………」
お礼を伝えて頭を下げたけれど、コックたちからの反応がない。なにかマズいこと言ったのかと顔を上げたら、ポカンとした顔で私を見ていた。
この日は妃教育が休みだったので、午前中は治癒室の手伝いに行って戻ってくる時に王族の食事を作る専用の厨房へ顔を出した。
「お疲れ様です。今お邪魔してもよろしいでしょうか?」
一斉にコックたちの視線が私に集まり、コックたちが驚きの表情を浮かべる。
「は……え!? ラティシア様!?」
「も、申し訳ございません! なにか粗相がありましたでしょうか!?」
私がフィル様の婚約者であることは厨房のコックたちも知っていて、コック長が前に出てきて真っ青な顔で謝罪されてしまった。
先日毒物混入があったばかりだから、またなにかあったのかと心配させてしまったようだ。
「あ、ごめんなさい、そうではないの。いつもおいしく調理していただいているから、今日は感謝の気持ちをお伝えしたかったのです」
「……え? 本当に? なにか食事で不手際があったのではなく?」
「不手際なんてとんでもない! 少し騒ぎが起きてしまったけれど、食事を駄目にされて私も本当に悔しかったです。それから、いつもおいしい食事を作っていただきありがとうございます」
「…………」
お礼を伝えて頭を下げたけれど、コックたちからの反応がない。なにかマズいこと言ったのかと顔を上げたら、ポカンとした顔で私を見ていた。