【短】最強のあたしが3番目に強い男に恋をした


「ふ、風吹さん!?」


「女に手を上げるクズは、嫌いだ……俺の前から失せろ」


「「!」」




ぎり、と手に力が込められたらしく、三下は「ひっ」と悲鳴を上げて、転びそうな勢いで屋上を後にした。

信条までかっこいいじゃんか。


風吹と2人きりになれた、とニコニコしていると、その風吹が小首を傾げてあたしを見つめる。

さっきまで興味なさそうだったのに、なんだ……?




「お前……何者だ?」


「へっ?」


「あいつはそこそこ腕が立つ野郎だった……ただの女が、拳を止められるはずがない」


「んっ!?」




マジで!? あれで!?

やっっっば! 早速最大のピンチだよ!




「え、えぇっと、気のせいじゃないですか……?」


「……いや。この目で見た」
< 14 / 67 >

この作品をシェア

pagetop