【短】最強のあたしが3番目に強い男に恋をした
「で、でも、寸止めだったじゃないですか! 私、結構度胸はある方で……!」
「……寸止めでも、女はビビる。目で追っていたし……」
「いや! だってほら! 定森くん、女子に手を上げるクズは嫌いだって!」
「会ったばかりでそんな言葉……信じるのか?」
「わ、私、定森くんのこと好きですから!」
必死に弁解すると、風吹はなるほど、と言うように目を伏せて、あたしの後頭部を抱き寄せた。
迫る顔に赤面すれば、そのままちゅ、と唇に柔らかい感触がする。
「――っ!?」
「好きなら、教えてくれ。もしかしてお前は……“最強の不良”じゃないのか? ……俺の、憧れの」
「な、な、な……っ!?」
顔の距離が近いまま、風吹はあたしの瞳を見つめて囁いた。
逆ハニートラップか……!?
しかもいきなり断定かよ!
あたしに憧れてんの!? マジで!?