【短】最強のあたしが3番目に強い男に恋をした
キスされた感触を思い出して再びバタバタすれば、宏大が頭をぽんぽんと撫でてきた。
「嫌になったらいつでも戻ってきていいんだぞ」
「誰が戻るかっ! あたしは恋をするんだ。そう決めたんだっ」
「仕方ないな……じゃあ、情報を出し惜しみして逆に落としてやれよ。数々の男をたらしてきたユウならできる」
「あたしの場合は恋愛じゃなくて舎弟だろっ」
「うーん、中には本気のやつもいるんだがなぁ。まぁ、存分に青春しろ、高校2年生」
「役に立つこと言わないなら出てけ、高3っ!」
そう言って宏大を追い出した後、あたしは枕に顔を埋めて溜息を吐く。
覚悟、決めた。
定森風吹。あたしのファーストキスを奪ったんだ、絶対に惚れ込ませてやるぞ!