【短】最強のあたしが3番目に強い男に恋をした


「手短に要件を言え」


「……“最強の不良”の正体を知っている。だから、神龍の総長と話をしたい」


「ハッ、今までそう言ってうちに来たやつがどれだけいると?」




賭けだったが、外れたようだ。

仕方ない……他の方法を考えるか。




「……、……?」


「あ、(ぜん)さん! いえ、“最強の不良”の正体を知ってるから、総長に会いたいってやつが来てまして」


「……、……」


「はい、こいつです」




大人しく引こうとした時、倉庫の奥から金髪のやつが出てきた。

そいつは俺の前まで来ると、ジト目でじーっと俺の全身を眺める。




「……、……?」


「おいお前、どこ高だ」


「……大海(だいかい)だ」


「……、……」




金髪の男は付いてこい、と言うように親指を肩の後ろに向けて、踵を返した。

話が通った……ってことは、本当に、優里は?
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