【短】最強のあたしが3番目に強い男に恋をした
急に声色が冷めて、愛想のいい顔から表情が消えた。
……これが、神龍の総長の顔か。
他2人の視線も、棘のように突き刺さる。
「本当に、知りません。……ここに来たのは、その彼女が“最強の不良”だと思って、確認を取りたかっただけですから」
「……なるほどね。なんであんな可愛い子が“最強の不良”だと思ったんだ? No.2もNo.3も男だろ?」
「喧嘩慣れ、しているようだったので……それに、なんとなく、“同じ”気がしたから」
「同じ?」
片方の眉を上げて、神龍の総長は俺を見つめた。
逸らされることのない視線が、少しプレッシャーを与えてくる。
「……昔、会ったことがあるんです。圧倒的な強さだったから、勝手に彼女が“最強の不良”だろうと思ってるだけですが」