【短】最強のあたしが3番目に強い男に恋をした

思い思いの反応をする気心が知れた男達に、あたしはイラッとする。

特に最初と最後!

あたしをなんだと思ってんだ!?




「分かった分かった。ひとまず落ち着け、ユウ。深呼吸深呼吸。な?」


「あたしは落ち着いてる! そういうわけで、もう倉庫には来ないから。夜露死苦(よろしく)!」


「……、……!」




総長の宏大(こうだい)が宥めてくるのをバッサリ切り捨てて、人差し指と中指を揃え、ビシッと挨拶した。


早速帰ろうとすると、後ろから抱きしめられて、犯人の(ぜん)を振り仰ぐ。

キラキラとした金髪を垂らし、ジト目に涙を浮かべて、最大限の悲しみを顔で表しても、あたしは止まらない!




「離せ、善!」


「……、……! ……、……?」


「神龍のやつらは全員恋愛対象外!」




無口な分、顔と身振り手振りで語る善の腕をべりっと離すと、次は哲弥(てつや)に横から抱きしめられて、頭上に涙が降ってきた。
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