【短】最強のあたしが3番目に強い男に恋をした
情けないけど、あたしのメンタルは“最強”じゃない。
失恋のショックに耐え切れずに動けなくなったら、宏大に回収してもらうんだ。
そんな保険を張って、ようやく学校に行く勇気が出る。
「じゃ、行ってくるから……」
「おう。いってら」
ひらひらと手を振る宏大に軽くパンチを返してから、あたしは家を出た。
風吹に会いたくない。
でも、“普通”の女は、ちゃんと学校に行かないとな。
****
「あ、廣井さん! あのさあのさ、定森くんとどうやって仲良くなったの?」
学校に着くと、教室の中に風吹の姿はなかった。
その代わりに、クラスの女連中が集まってくる。
普段は風吹に絡まれてるから、話す暇がないんだよな。