【短】最強のあたしが3番目に強い男に恋をした
一昨日見た光景を思い出してズキ、と胸が痛むのを感じていると、教室に風吹が入ってきた。

ドクンドクンとやけに響く鼓動を聞いて目を逸らせば、「優里」と手を取られる。



「……話がある」


「えっ……?」




なにを、言われるんだ?

……怖い。


今さら、振るなんて……そんなことなら、最初からキスなんてするなよ。

好きなやつがいるのに、あたしの正体を暴く為に平気でキスするなんて。

最低だ……。


でも、今さら膨れ上がった“好き”を、他の感情に変えられないんだよ。



辿り着いたのは、放課後、いつもキスをされる屋上。

この場所に来るだけで、唇が重なる感触を思い出して、胸がドキドキしてくる。
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