【短】最強のあたしが3番目に強い男に恋をした

一生に一度の告白

Side:廣井(ひろい)優里(ゆうり)


終わった。

そんな心境だ。




「ユウ、昼飯食わないか? 哲弥(てつや)が真心込めて作ったってよ」


「腹減ってない……」


「まぁまぁ、そんなこと言ったら哲弥が泣くだろ」




神龍(しんりゅう)の倉庫、幹部部屋の一番奥。

総長部屋にひきこもっているあたしを、宏大(こうだい)は横抱きにして連れ出した。

抵抗する気力もなく、されるがままでいると、幹部部屋にいた全員が振り向く。




「ユウちゃん、よかった」


「……、……」


「お前ら優里(ゆうり)に甘すぎだろ。いつまで落ち込んでんだよ、単細胞」


「うるさい、バカ……」




宏大と同じ3年組には心配され、秋弘(あきひろ)には叱咤された。

それでも、元気というものは出てこない。


だって、失恋したんだ。

毎日毎日、あんなに翻弄されてたのに。

一目惚れした時以上に、好きになってたのに。
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