【短】最強のあたしが3番目に強い男に恋をした
「ユウちゃん、行かないで……!」
「止めんな、哲弥。あたしはもう決めたんだ!」
「それじゃあ俺も不良やめる。神龍やめるよっ」
「おおい、ちょっと待った。その理由は賛成できないぞ」
哲弥の体も押し返すと、ツッコんだ宏大があたしを見つめる。
毛先を遊ばせた暗い赤髪と、金のカラコンを入れたつり目は不良No.2の証。
あたしが神龍と付き合ってるのは、宏大が総長をしてるからだ。
「うちの連中はみんな、ユウに惚れてる。それでも縁切るって言うのか?」
「俺を含めんなっ」
「悪いけどあたしは命かけてんだ。絶対に恋をする!」
「……俺は世界で一番ユウを愛してる。それじゃ、足りないか?」
珍しく真剣な目をする宏大に、あたしもマジで返す。